分からないことは言おう

4月になって、野球チームの主将(キャプテン)になった。

理由は全くわからない。
当時はチームで最も下手だったし、ただベンチで声をだすことしかできなかった。
あるいはそんな私を主将にすることで何かが変わることを
監督は期待してくれていたのかもしれない。

しかし主将になったからと言って野球が上手くなるわけもなく、
変わった事といえば、練習や試合で皆を整列させるとか
試合の後の円陣で仕切る程度の役割が追加されただけで
基本的には以前と変わらず学校で練習する日々だった。

学校の校庭は当然野球専用ではないので、
チームでたまに外部の野球専用グラウンドで練習することがある。
そこまで遠い場所ではなかったので、監督コーチは車移動だが
選手は自転車で移動する。

私が主将になってからは、初めてそこで練習する日のことだった。

去年までは詳しく道を知っているチームメイトが先導していたのだが、
その日は流れで主将である私が先導することになってしまった。

(あれ・・・どう行けば良いんだっけ・・・)

何度か行ってはいるのだが、後ろからついて行っていただけだったため
道をはっきり覚えていたわけではなかった。
(まあ行けば思い出すかな?大きく道間違えることはないだろうし・・・)
と不安を隠しながら出発してしまった。

だがやはりうろ覚えの部分で道を間違えたのか、
途中の住宅街で完全に袋小路にはまってしまった。
立ち止まる皆。
去年まで先導していたチームメイトからは

「なんでいつもの道で行かないんだよ」

完全にその通りである。
グラウンドでは監督コーチ陣が待っている。
皆の時間を無駄にしている場合ではない。

出発するときに「悪い俺、道覚えてないわ」とでも一言言うだけで
こんなくだらない問題は起きなかったのに。

 
 
 
 
当時、私は小学5年生。
「責任」という言葉の意味を、誰よりも深く学んだ。

この失敗からの学び

・聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
・上の立場の人間が間違えることは許されない
・自分より適任者がいるなら積極的に任せるべき

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